有効な鎮痛薬を見つけるドラッグチャレンジテスト
2010/02/04
消炎鎮痛薬が効かない痛みとしては複合性局所疼痛症候群(CRPS、トピックスで既述)がまず挙げられます。神経の傷によって痛みがでる場合です。神経因性疼痛とも呼ばれます。具体的には、骨折が治っても痛みが続く、手術の後いつまでも痛みが続く(手術後疼痛症候群)、事故などで腕、足などを切断したあとが痛む(幻肢痛)、神経を針などで傷つけて痛む、帯状疱疹後神経痛(トピックス既述、ヘルペスウィルスが神経を傷つける)、などです。
その他、CRPSと似た神経因性疼痛として、脳内出血や脳梗塞が視床と言う脳の部分まで及んだ場合に起きやすい、視床痛という難治な痛みもあります。
もうひとつ、消炎鎮痛薬が効かない痛みとして、心因性疼痛があります。これはちょっとした原因からの局所の痛みが、痛みの原因が治癒したにもかかわらず、痛みだけ慢性化する場合のことですが、この痛みは以外に多く、脳を含めた心因性の原因が影響しているとされています。
以上の痛みに対して、何か効く薬はないのか、使用されるのは、1.麻薬。リン酸コデイン、モルヒネ等、2.ステロイドホルモン、3.抗うつ薬。SSRI(セロトニン取り込み阻害薬)や三環系抗うつ薬、4.抗不安薬。安定剤のことです、5.抗てんかん薬。テグレトール等、6.抗不整脈薬。局所麻酔薬の一種です、7.NMDA受容体遮断薬。麻酔薬のケタミン、8.末梢神経痛障害性鎮痛薬のプリガバリン(リリカ)などの治療薬が代表です。
以上、神経因性疼痛に効く可能性のある薬剤をあげましたが、現在はどの薬が有効かを調べるのに、ドラッグチャレンジテストといって、それぞれの薬を少量点滴などで投与して、どれが一番効果があるかを調べてから実際に使用する方法がよく用いられます。
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