【大分市・腰痛】 大分 急性腰痛 慢性腰痛 腰椎症 硬膜外ブロック注射の効果
2020/06/22
急に激しい腰痛が起こった場合、ぎっくり腰と呼ばれます。原因として、腰椎の関節の捻挫が多く、さらに腰椎椎間板ヘルニアなども考えられます。ヘルニアの場合多くは腰痛とともに下肢の神経痛、つまり坐骨神経痛や大腿神経痛を訴えます。一方、腰椎の捻挫では下肢に痛みが生じることは通常ありません。ヘルニア以外の原因であれば、1~2週間じっと安静にしていれば痛みは大体とれます。しかし1~2週間も安静にしていることは実際困難なことが多く、できるだけ短期間で痛みをとり、早い仕事復帰を大部分の方が望みます。
急性の腰痛の治療法として、リハビリや消炎鎮痛薬(ロキソニン、ボルタレンなど)は軽症の場合は効果がありますが、激痛の場合はあまり効果がないことが多いようです。そのような場合、腰部硬膜外ブロックが最も効果のある治療法といえます。1回の腰部硬膜外ブロックでほとんどの方がすぐ仕事に復帰できるまで痛みは軽減します(当院では85~90%が1回で治癒します)。一方、急性の腰椎椎間板ヘルニアの場合は、坐骨神経痛が激しくなったりして治療にもう少し時間がかかることも多いです。
慢性腰痛の場合、痛みの原因は大きく別けて二つに分けられます(ただし原因がわからない腰痛が半分以上を占めることも知られています)。
ひとつは骨粗鬆症(痛みの相談に既述)や加齢による腰骨の変形(変形性腰椎症)、さらに比較的若い人に多い腰椎不安定症(痛みの相談に既述)などによって慢性的に腰骨、腰の関節、腰の周辺筋肉に炎症や不安定状態がおこり腰痛をおこす場合、また慢性的な腰椎椎間関節の炎症からきたものなどです(これらは腰の関節、骨が原因の腰痛です)。
もうひとつは腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などの疾患により腰の神経が圧迫されて腰痛をおこす場合(神経性腰痛症すなわち腰の神経痛です)です。
慢性腰痛の治療は、どちらの原因でも(関節性腰痛症と神経性腰痛症)まず痛みの部位に腰部硬膜外ブロックを行うことですが、当院では近年2種類の慢性腰痛に使用するブロック注射の薬剤を関節性はネオビタカイン、神経性はアナペインと分けて使用しだしてから治療効果が明らかに強くなりました(原因は不明です。他のどの先生も分けて使うことなどしていないと思います)。
一方、お尻の上部から行う仙骨ブロックというものがあります(整形外科でよく行われます)。経験された方はおわかりだと思いますが、針が骨にあたるためかなりの痛みを伴うブロック注射で、お尻の部分より薬液を注入するため腰の痛みの部位まで、注入した薬液の一部しか届かない場合が多く、そのため腰痛治療効果は腰部硬膜外ブロックに比べて劣ります。
私は今まで約10万回の硬膜外ブロックをすべて安全に、かつブロックを行う時あまり患者さんを痛がらせずに行ってきました。
その経験から、腰痛を腰部硬膜外ブロックで治療する場合のポイントは、①痛みの原因とその部位を特定し、最も近い椎骨の間から硬膜外ブロックを行う。②いくつかある局麻剤から症状に最も効果のあるものを選んで使用する。③その薬剤の量と濃度を最適な量、濃度で使用し、薬剤注入後患者さんの体位で薬液は硬膜外腔を移動しますので、痛い方を下にしたり、座ってもらったりして薬剤を痛みの原因部位に集める。④ステロイド剤使用は必要最小限にとどめる。ことだと思います。
なお、硬膜外ブロックについてはサイト上に「硬膜外ブロックとは」という項目を設けて詳しく述べていますのでご覧ください。
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