【大分市・胸郭出口症候群】大分・胸郭出口症候群 原因と治療
2010/02/28
大分市で胸郭出口症候群の痛みとしびれのペインクリニック治療を行っています。胸郭出口症候群は以前は頚椎下部において、頚神経(脊髄から肩や上腕にでる神経の枝、左右8本ずつあります)や血管が肋骨などに圧迫されて症状(首、肩、上肢の痛み、しびれ、だるさ)が出るものと考えられていました。しかし、現在は、この圧迫よりも頚神経や腕神経叢(頚神経がからまりあって上腕へ分布する)が引っ張られて症状が出るとされています。特に日本においては神経に対する張力(牽引)が腕神経叢に炎症を起こして、上記したような症状を呈するタイプがほとんどです。
胸郭出口症候群は女性、若い人に多く、体型的にはなで肩、背中を丸める姿勢の女性に多いです。逆に男性は首、肩の筋肉が発達した体型の方が多いようです(男性は筋肉が増強することにより腕神経叢の圧迫症状が強まるからです)。
治療は保存的には、生活する上で症状を悪化させるような動きを避けます。具体的には、重いものを持つ、パソコンを打つ姿勢、腕を挙げるなどの動作は症状を悪化させます。理学療法(リハビリ)や薬物(痛みどめ等)はあまり効果がない場合が多いです。
ペインクリニックにも当然患者さんが来院されます。神経ブロック治療が有効ですが、まず星状神経節ブロック、それから腕神経叢ブロックなどが教科書には取り上げられています。前述したように、以前胸郭出口症候群の原因が血管の圧迫による血流障害であるとされていたために血流を増やす効果がある星状神経節ブロックが第一に行うブロックとされたのでしょうが、現在では原因は神経の引っ張りが主であることがはっきりしています。また、私のこれまでの経験でも星状神経節ブロックは作用が短く少々繰り返してもあまり効果が得られたケースが大部分です。
そこで、私は過去色々な治療法を試みてみましたが、頚部硬膜外ブロックと腕神経叢ブロックを同時に、または交互に行うのが、少ないブロック回数で症状を改善するのに最も効果があると考えています。またほとんどの患者さんもその治療方法が首から肩、腕にかけての痛みやだるさしびれに一番効果があるとおっしゃり、この方法を望みます。この方法は効果も長続きし、中には数回のブロックで症状がほとんどとれてしまう患者さんも過去複数いらっしゃいました。
また、明らかに頸椎症性神経根症(相談と治療に詳述)の症状があれば、新しい神経痛治療薬リリカ(相談と治療に詳述)が有効な場合が十分考えられます。
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