ネオビタカイン ペインクリニックにおける使用法
2010/01/20
ネオビタカインという局所注射鎮痛剤があります。ジブカインという局所麻酔薬にサリチル酸ナトリウムと臭化カルシウムという消炎鎮痛剤を配合した注射薬です。簡単にいえば局所麻酔薬と痛みどめを混合した薬剤といえます。このような配合の薬は他になく、日本で開発され日本のみで使用されており、主にトリガーポイント注射(痛点ブロック)に使用されます。
ネオビタカインは、神経ブロックによく使用される純粋の局所麻酔薬であるメピバカイン(商品名はカルボカイン)と比較すると、トリガーポイント注射において効果が長くかつ強いとされ、使用頻度が増加しているようです。実際、私も筋・筋膜性疼痛症候群(痛みの相談と治療に既述)の患者さんにトリガーポイント注射で使用していますが、多くの患者さんにおいてにメピバカインよりネオビタカインの方が効果が大きいです。ただしメピバカインに比べてネオビタカインは注射後に投与部分に、1日程度軽い刺激を訴える患者さんがごく稀におられますが、そのような患者さんに対して使用薬剤をメピバカインに変更すると、1日くらい痛くてもよいから元のネオビタカインを希望される方が多く、ネオビタカインの効果がメピバカインよりも強いことを示唆させる事実です。 それ以外のネオビタカインの使用方法としては、硬膜外ブロックに使用できます。私も硬膜外ブロックにネオビタカインを30~40%に希釈して使用してきましたが、利点としてメピバカインに比べて、患者さんは脱力感やしびれ感をほとんど感じなく、不快感が少ないことがあげられます。また、交感神経の抑制作用が弱いのか、メピバカインでは胸部硬膜外ブロックを行った時は、胸部、腹部の交感神経の抑制作用のため、軽度の血圧低下が起きることが時折ありますが、ネオビタカインではほとんどありません。作用時間はメピバカインに比べ3~4倍程度は長いようです。
さらに、一般の神経ブロックについては大分県では星状神経節ブロック以外の末梢神経ブロックは保険診療が認められています。うまく使用すれば有力な薬剤となると思います。
またネオビタカインのジェネリック医薬品もすでに使用できます(ジカベリン)。ネオビタカインはペインクリニック医にとって使い勝手が良く使用頻度の高い薬品と言えます。
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