星状神経節光線治療
2010/02/19
ペインクリニックにおいて、最も多く行われる神経ブロック注射のひとつに星状神経節ブロックがあります。一方、理学療法に使われる低出力レーザー(メディレーザー)や直線偏光近赤外線(スーパーライザー)などを、星状神経節に数分間照射すると、その刺激により星状神経節ブロック(Stellate Ganglion Block SGB、トピックス既述)と似たような作用、すなわち頚部交感神経の抑制作用やそれによる頭部、顔面、頚部、上肢の血流増加作用が現れることはかなり以前から知られていました。ただし、これは決して星状神経節ブロックではなくあくまで理学療法です。当然作用もSGBより弱く、またSGBの効果の証明とも言うべき縮瞳、眼瞼下垂などのホルネル徴候もほとんどでません。
しかし、抗凝固薬を服用していてSGBが行えない方、注射が苦手な方(特にSGBは苦手と思われる方が比較的多いブロック注射です)、SGBが長期、かつ頻回に必要と考えられる痛みなどには試みられる手段だと考えます。また、SGBは、トピックスのSGBのところでお話したように、両側同時に行って反回神経麻痺が両側に生じた場合、呼吸困難となる可能性があり、左右どちらかで同時に両側はできませんが、この照射は両側の星状神経節への照射が可能です。また、SGBはブロック後20~30分安静に臥床していなければなりませんが、照射ではその必要はありません。
ただし、欠点はSGBは治療効果を得るのにある程度回数がかかるブロックですが、この照射はもっと回数がかかる場合が多いのです。
ただし、通常保険請求できるブロック注射は何であろうとひと月あたり4~5回(週に1回)までと上限が決められています。SGBはひと月4~5回ではなかなか効果が出にくいブロック注射です。特に帯状疱疹痛や顔面神経麻痺などは早期に毎日行うことによって効果が得られるのですが、保険上の制約があればそれができません。その点この光線照射は低出力レーザー照射という保険上の取り扱いになるので制約がありません。そのような場合にはこちらの方が治療上有効な場合があるかもしれません。
また、3割負担の健康保険加入の方で、再診でSGBを行った場合の負担額は1250円なのに対して、光線照射では320円と安くなります。
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