【大分市 顔面神経】大分・顔面神経麻痺(ベル麻痺)
2010/02/25
顔面神経は脳から出ている8つの脳神経のひとつで顔面の筋肉の動きを支配する運動神経で、知覚(痛み)には関係していません。顔面の知覚(痛みや触覚)は三叉神経が担当しています。従ってよく言われる顔面神経痛すなわち顔面神経を介して顔面が痛むということはありません。
顔面神経麻痺は、脳腫瘍などから生じる中枢性とベル麻痺、ハント症候群と呼ばれる末梢性に分けられます。ベル麻痺(多くはこれです)とハント症候群はいずれも顔面神経へのウィルスの感染で起こり、ベル麻痺が単純ヘルペスウィルス、ハント症候群が帯状疱疹ウィルスによっておこされるウィルス性神経炎です。
ベル麻痺は顔面片側の顔面神経が侵されて顔面の筋肉の麻痺を生じます。症状しては、顔面が非対称に見える、目を完全に閉じれない、口笛をふくと片方から空気が漏れて吹けない、水をのむと片方の口角から水がこぼれるなどです。朝起きたら、このような症状が出現していたというような突然の発症が多いです。
一方、典型的なハント症候群の症状は前述した顔面神経麻痺に加えて耳介の帯状疱疹と難聴、めまいなどを伴います。
この末梢性の二つの顔面神経麻痺に対する治療法として薬物治療がまずあげられます。方法としては抗ウィルス剤の内服や点滴(バルトレックスやゾビラックス等)、ステロイドホルモン(神経炎による神経の浮腫をとり、また炎症を抑えます)、その他にメチコバール(メコバラミン、活性型ビタミンB12、神経の活動性を高め、神経鞘の傷を修復します)、炎症神経の循環改善剤としてプロスタグランジン製剤が用いられる場合もあります。
それに加えてペインクリニック治療として、星状神経節ブロック(トピックスに詳述)を行うと、頚部交感神経節を遮断して顔面神経の血流が増加して、神経炎の治癒を促進するとされています。薬物治療と星状神経節ブロック治療を併用して行うことは最良の治療法だと考えられます。
また、、すでに国民病ともいえる糖尿病やその境界型の方に、ステロイドホルモン治療を行うと、ステロイドホルモンのかなりの大量投与のために、ステロイドの血糖上昇作用により確実に糖尿病は悪化します。そのためステロイドを使用しにくい場合もでてきます。その様な場合には星状神経節ブロックの必要性はさらに増すものと考えられます。
とにかく、末梢性顔面神経麻痺は早期の治療開始がなによりも大切です。
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