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【大分市・肩・痛み】大分 五十肩が治らない時(頚椎疾患と合併の可能性や腱板断裂)

痛みの相談と治療

 当院は大分市でペインクリニックによる痛みの治療を行っています。既述したように、ふつうの五十肩(肩関節周囲炎)の場合、凍結肩になる前の状態であればヒアルロン酸の注射などでわりと簡単に治る場合が多いです。しかし、治りが悪い患者さんに多いのが、頚椎疾患から肩関節に炎症を合併した場合で、この症状はよく見られ、はじめに頚椎疾患の症状すなわち首、肩口、肩甲部の痛み、腕の痛みやだるさ、痺れなどが現われます(これらの症状を頚椎症性神経根症といいます、痛みの相談と治療に既述)。そのうちに五十肩と似た症状(肩関節周囲炎)が出て、肩関節の痛みと関節を十分動かせなくなります(特に後ろ向きに腕を回す動き)。
 肩関節には固有肩関節と肩峰下滑液包があります。ふつうの五十肩(肩関節周囲炎といいます)が主に肩峰下滑液包の炎症なのに対して、頚椎疾患が合併した肩関節の炎症は固有肩関節のほうが肩峰下滑液包よりも炎症を起こすことが多いようです。また、力こぶをつくる筋肉である上腕二頭筋の肩関節近くの付着部にある長頭筋腱の炎症もよくみられます。この頚椎疾患から肩関節に痛みを合併した場合は肩関節の治療のみでは痛みはなかなかとれません。肩関節と頚椎疾患の治療を同時に行うことで、治療効果が上がります。
 また、特に60歳以上の方では腱板断裂という肩関節を覆う腱が切れかけている状態でも同様の痛みがでます。これは無症状の方を含めかなり多いと言われています。五十肩とほぼ同じ痛みですが、腕を上に挙げることは、五十肩より楽に挙げられるのが相違点です。MRI検査で確定できます。腱板断裂はヒアルロン酸の肩関節注入では痛みはとれません。リハビリや肩甲上神経ブロックなど行い、どうしても痛みが取れなければ手術ということになります。