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【大分市・帯状疱疹】大分・帯状疱疹・ 帯状疱疹後神経痛・疱疹後神経痛への移行を断つ 

痛みの相談と治療

 帯状疱疹はヘルペスウィルス(水疱瘡と同じウィルス)によって、発症する痛みと皮疹の疾患で、一生のうち3人に1人は罹患します。頭から足までどの部位でも、その神経にそって炎症を起こし神経痛を生じます。痛みは激痛の場合も多く、ペインクリニック治療の対象となります。特に背部、前胸部、腹部が痛い肋間神経領域の帯状疱疹は激痛になりやすいです。また皮疹は1~2月のうちに自然治癒します。治療の根幹はなんといっても神経痛を早く軽くすることです。というのは帯状疱疹の痛みが3月を過ぎても痛み続ける場合には帯状疱疹後神経痛と呼ばれるようになり痛みが大変治りにくくなります(一生続くこともあります)。高齢者ほど帯状疱疹後神経痛になる確率は大きくなります。帯状疱疹痛の治療法は症状が出たら、➀できるだけ早く(72時間以内が特に有効)抗ウィルス薬(バルトレックス、ゾビラックス、ファムビル、アメナリーフ等)の内服、点滴を行うこと。➁その痛みの神経の部位にブロック注射(一般的に頭、顔面などは星状神経節ブロック、頚部硬膜外ブロック、首から下は胸部、腰部硬膜外ブロックが最も多いです)を行い、痛みを遮断し、血流を改善することにつきます。この適切な治療が行われれば、帯状疱疹痛はそのまま治癒していく可能性が大きくなります。現在当院では、痛みのため、睡眠が障害されるような重症の帯状疱疹痛であつても、発症3月以内の方であれば、ほとんどの患者さんの痛みは順調に軽快していく治療成績(主に硬膜外ブロック治療による)が得られています。
しかしながら、発症から半年、1年と経ち、当院での初診時には、不幸にして帯状疱疹後神経痛が完全に固定してしまった患者さんの場合であっても、当院においては硬膜外ブロック注射の定期的施行と適切な鎮痛剤を服用することによって多くの患者さんの痛みは、発症初期ほど急速ではありませんが、徐々に軽減してゆきます。
現在(2023年5月)当院では、発症2~3か月以内の中等~重症(睡眠が障害される程の痛みを有する)の帯状疱疹の患者さまは常時10人以上の方が通院されれおり、数回のブロック注射で痛みが改善して治療が終了し、また新たな患者さまが受診されるという状態が続いている状況です。
当院の治療成績については、文献で比較するかぎり、優秀なペインクリニック科を有する全国の大学病院と比較しても、控えめにみても遜色は全くないと考えています。