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【大分市・顔面痛】 大分・非定型顔面痛 三叉神経痛でない顔の痛み

痛みの相談と治療

 当院は大分市においてペインクリニックを行っています。顔面の知覚(痛覚、冷熱覚、触覚、深部知覚)は脳から出て卵円孔を通り、主として顔面に分布する三叉神経を介して脳が認識しています。三叉神経は字のごとく卵円孔を通ってから三つに分かれて、目じりより上に分布するⅠ枝、目じりから口角までに分布するⅡ枝、口角から下顎までに分布するⅢ枝に分かれます。三叉神経痛(痛みの相談に既述)はその三叉神経の走行範囲にあくまでそって痛みを生じます。ところが、その三叉神経の走行に一致しない範囲に痛みを感じ、原因が分からない顔面の痛みが存在します。それを非定型顔面痛と呼びます。患者さんは長期にわたりその痛みに苦しんでおり、複数の医療機関を受診するが、原因も治療もわからず、不安感、抑うつ状態になることも多いです。
非定型顔面痛は女性に多く、痛みは三叉神経痛が発作的な電撃痛であるのに対して、持続的な鈍痛、圧迫されたような痛みに感じます。しびれを感じることもあります。また、皮膚を触ったり圧迫しても痛みは誘発されず、表層ではなく深い部分の痛みに感じます。三叉神経痛は逆に皮膚を圧迫したり洗顔や咀嚼で誘発されることが特徴的です。また、三叉神経痛のような、どうしてもがまんできない激痛ではありませんが、持続的に痛みがあり常に不快感を感じます。痛みは広い範囲のことが多く、痛みの部位が移動することもあります。さらに左右どちらか片側が痛い部位であることが多いです。これを歯の痛みに感じることも多く、歯科治療が行われることがよくあります(非定型歯痛と呼びます)。
 治療は消炎鎮痛薬はまず効きません。脳での痛みの感じ方に原因がある可能性が大きく、そのためか抗うつ薬、抗不安薬などが有効なことがあります。ペインクリニック的には星状神経節ブロック、トリガーポイント注射が有効な場合がかなりありますが、今のところ星状神経節ブロックの繰り返しが最も有効だと考えられます。治療にはある程度の期間が必要なことが多いです。