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【大分市 首 ヘルニア】大分・頚椎椎間板ヘルニア 激痛には頚部硬膜外ブロックが有効

痛みの相談と治療

 頚椎(7個あります)の椎間板(頚椎間のクッションのようなもの)内の髄核がそれを覆っている線維輪を破って突出して、頚椎の神経根(脊髄からでた神経の枝)を圧迫して頚部から肩、肩甲部、上肢の痛みやしびれを生じたり(頚椎症性神経根症と言います、痛みの相談に既述)、また、脊髄本体をヘルニアが直接圧迫すると、四肢のマヒ、下肢の脱力やしびれが生じたり、両手の運動が極端に動かしづらくなったり、尿をだしにくくなったりする症状を呈します(頚椎症性脊髄症と言います)。脊髄症の方は重症で場合によっては手術が必要です。幸いなことに頚椎症性脊髄症は少なく、多くが痛みやしびれ中心の症状の頚椎症性神経根症です。
患者さんでもできる簡単な検査として、首を後ろにそらしたり痛い側(あるいは痛くない側)に首を曲げたりすると、肩や腕に痛みやしびれが走ることが頚椎椎間板ヘルニアの特徴です。
 診断は単純X線では困難な場合がほとんどで、MRIで髄核の突出と神経の圧迫が認められれば確定します。
 治療法として、保存的には、頚椎のカラーで頭の重みが頚椎にかかるのを顎で保護することで痛みが和らぐ場合が多いです。また神経痛ですので、ごく軽い痛み以外は通常の鎮痛薬(ロキソニンなど)はあまり効きません。理学療法による頚部の牽引はなかなか効果が出ない場合がほとんどです。低周波などの電気治療はまれに神経を刺激して悪化することがありますので注意が必要です。
 前述した様に、頚椎椎間板ヘルニアによる頚椎症性神経根症は神経の痛みやしびれが主症状ですので、痛みが強い場合には、神経ブロック治療の対象、と言うより神経ブロックしか痛みを取る方法がないと言ってもよいと思います。症状に合わせて、星状神経節ブロック、深頚神経叢ブロック、頚部硬膜外ブロック、腕神経叢ブロック、神経根ブロックなどを選択して行います。私の治療法は、激痛の場合、頚部硬膜外ブロックを行います。頚部硬膜外ブロックが激痛を取るには一番効果があると思われます。また、比較的軽い痛みの方には星状神経節ブロックでも効果は結構あります。
 治療薬として神経障害性疼痛治療薬であるリリカを使用します。特に頚部硬膜外ブロックで神経の炎症を取った後の方がリリカの効果がはっきり現れます。