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【大分市・腰痛】大分・急性腰痛 慢性腰痛 硬膜外ブロック注射の効果

痛みの相談と治療

 急に激しい腰痛(急性腰痛)が起こった場合、一般的にギックリ腰と呼ばれます。原因は、腰筋群の肉離れ、腰椎関節の捻挫、腰椎椎間板ヘルニアの初期症状などが考えられます。椎間板ヘルニア以外の原因であれば、1週間もじっと安静にしていれば痛みは大体とれますが、1週間も安静にしているのは多忙な世の中では困難です。そこでできるだけ短期間で痛みをとることが非常に重要です。
 急性腰痛の治療法として、軽い痛みの場合には鎮痛薬が効果がありますが、激しい痛みの場合は効果がないことは多いです。そのような時ペインクリニック治療が効果を発揮します。具体的には痛い部位で腰部硬膜外ブロックを行うのが最も効果的な治療法だと考えられます。硬膜外ブロックに使用する薬剤は局所麻酔薬にステロイド(ただし糖尿病とその予備群の方は血糖値が上昇するので使用しません)を混ぜたものが最も多く使用されます。高齢者以外の方ではほとんどの方が1回の硬膜外ブロックで仕事に復帰できるまでなります。高齢者の場合、腰椎の変形や骨粗鬆症を元来有する方が多く、治療にはもう少し時間がかかることもあります。一方、腰椎椎間板ヘルニアの場合は、腰痛から次第に坐骨神経痛が激しくなり治療に何回かかかることも多いです(痛みの相談と治療に詳述してある腰椎椎間板ヘルニアの項を参照してください)。
 慢性腰痛の場合は私は痛みの原因を大きく二つに分けています。➀ひとつは前述した骨粗鬆症や加齢による腰骨の変形、また慢性的に腰骨、腰椎の関節、腰の周辺筋肉に炎症がおこり腰痛をおこす場合(腰骨や腰関節が原因)。➁もうひとつは腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などの疾患により腰の神経痛による腰痛(腰の神経痛です)です。
 慢性腰痛の治療は基本的には急性腰痛と同じで、痛みの部位の腰部から硬膜外ブロックを行います。整形外科で多く行われるお尻の上からの仙骨ブロックは針が骨にさわるので痛い上、一般に腰部硬膜外ブロックより効果は弱いです。
 慢性腰痛の場合、痛みを完全にとるには数回のブロックが必要な場合もありますが、長年の腰痛が1回の腰部硬膜外ブロックで完全に治ることも稀ではありません。
 また、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症では、坐骨神経痛や大腿神経痛などの下肢の神経痛を随伴する場合が多いですが、局所麻酔薬の種類を変更したり、濃度を変えたり、投与する分量を変えたり、一番効果のある方法を短期で見つけるのが下肢の神経痛治療の重要なポイントだと考えています。
 このようなやり方で今まで10万回以上の硬膜外ブロックを、すべて安全になおかつ患者さんに注射をあまり痛がらせもせずに行ってきています。
なお硬膜外ブロックについてはページ上部に「硬膜外ブロックとは」という項目を設けて詳しく述べていますのでご覧ください。