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【大分市・手のしびれ 痛み】大分 手根管症候群・手首から先の痛みとしびれ

痛みの相談と治療

藤垣クリニックは大分市で痛みの治療をしています。手根管症候群は比較的よく見られ、手指(正中神経障害なので親指から薬指の親指側までの症状、薬指の小指側と小指はなんともない)のしびれと痛み、また進行すると母指球筋(親指の付け根の盛り上がった筋肉)の筋力低下と筋委縮がおこり、親指と人差し指で物をつまんでも力が入らず落してしまうようになります。しびれと痛みの特徴は特に夜間に強く、しびれのため目覚めることがあります。
 原因は正中神経は手首の少し手のひらよりのところで手根管という靭帯でできた一種のトンネルの中を手首から手のひらにかけて走行しています。この手根管のなかで、手根管が肥厚して狭くなったり、外部からの圧迫が強くなって、正中神経を障害することで起こります。男性より女性のほうが多く、妊娠、出産、更年期などを契機として発症することが多いです。男性の場合は、仕事(たとえばスコップ堀り、農作業など)で手のひらに長期にわたり負荷がかかり、組織が肥厚して手根管を圧迫することが原因の場合が多いです。実は私自身も過去神経ブロックをはじめとするさまざまな注射を行い、その総数はおそらく20~30万回くらいにはなっているはずです。それがもとで(私はいろいろな注射をできる限り細い注射針を用います。細い針で注入すると数倍~10倍くらいの抵抗がかかりますので左の親指を酷使した結果です)利き腕の左手の手根管症候群になり、3年前に手術しました。注射のやりすぎで手根管症候群になったのは私くらいのものではないかと思っています。しかし手術を受け今は元どうりになっています。
 診断方法ですが、比較的わかりやすい検査で、ティネル徴候というのがあります。手のひらの真ん中やや手首よりを打腱器(腱反射を調べる診察器具)でたたく(正中神経の上をたたくわけです)と手指に痛みが走ります。さらにファーレンテストといってちょうど両手をあわせて仏様を拝む姿勢をとり、それを手の位置を下に下げていくと痛みやしびれが増強します。これらがあると手根管症候群の可能性はかなり高いと考えられます。さらに神経伝動速度の測定が有力な検査となります。ただし、手先のしびれを生じる疾患は、頚椎症、糖尿病性神経症をはじめとして多く存在するので、とにかく医療機関を受診することが大切です。
 治療法ですが、手根管へのステロイドを混ぜたブロック注射が有効なことがあります。2~3回しても効果が得られない場合は病状の進行を防ぐためにもすぐに整形外科で手術治療を選択するべきです。手術は比較的簡単で横手根靭帯を切断して手根管の圧迫を解放して終わりです。手術法には直接手のひらの付け根を切開して行う方法と内視鏡で行う方法があります。手術後痛みの少ないのは内視鏡手術ですが、正中神経のごく近くで行う手術のため、より安全な視野がとれる通常の切開手術の方を私は選んで行ってもらいました。
 また、発症から時間がたって進行している場合は母指球筋の委縮が起こっており、筋肉の移植が必要となり、その場合は手術も大きくなり、また手術しても回復に相当の期間が必要となります。手根管症候群は早期の手術が何より大切だと言えると思います。