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【大分市・肩の痛み】大分・五十肩(肩関節周囲炎) 痛みを取り関節拘縮予防

痛みの相談と治療

 いわゆる五十肩は特に原因もなく五十歳代を中心に肩関節の痛みと動きの制限(ひどくなると肩関節が拘縮して動かせなくなり凍結肩と呼びます)を起こします。その病因は肩関節の周囲が年齢的な変化により、肩峰下滑液包、上腕二等筋の腱、肩関節に炎症などが起こるためとされています。従って医学的には肩関節周囲炎の病名となります。
 症状は肩関節周辺の痛み(特に夜間痛めた肩を下に寝返りをうつと痛みで目が覚める。痛みのため肩から腕が挙げられない、背中側へ腕をまわせない)などの症状です。これらは時間がたてばたつほど肩関節を動かせなくなる、つまり凍結肩がひどくなることも多く注意が必要です。
 治療は整形外科の教科書を見ると、まず保存療法をおこなうことが記載されています。凍結肩になるのを防ぐために運動療法を行います。肩周囲の筋肉が拘縮して完全な凍結肩になると肩関節の動きを元にもどすことは難しいとされているからです。しかし、肩を動かすと痛いのに運動療法はつらいものだし、第一、痛くてできない場合がほとんどです。この保存療法の考えの根底にあるのが、五十肩は半年~1年で自然に治ることが多いとされているからです。しかし、もしそのとおりに自然に治らなかった場合は凍結肩となり、運が悪いと一生、肩の動きが制限されることも考えられます。
 積極的な治療法としては、炎症を起こした肩峰下滑液包、固有関節腔、上腕二頭筋長頭筋腱へのヒアルロン酸の注射がよく効く場合が多いです。症状が出て早ければ早いほどヒアルロン酸注射の効果は大きいようです。
 また併せて、ペインクリニックでは肩甲上神経ブロックを行ないます。肩甲上神経ブロックは肩の痛みをとり、ブロックが効いている間は肩の痛みが大幅に軽減しますのでその間の運動療法の補助(凍結肩防止)に役立ちますし、また何回か行うことによって肩の痛み自体も軽減する効果があります。また、痛みが頚椎症性神経根症による肩の痛み(神経痛)か肩関節自体の痛みかの鑑別にも役立ちます(頚椎症性神経根症では肩甲上神経ブロックを行っても痛みは軽くなりません)。さらに肩関節部の血流を増加させて炎症治癒を促進する目的で星状神経節ブロックを行い、それが著効する場合もあります。また、
 あくまで私の考えですが、五十肩は症状が出たら、早急に上記した積極的治療を行うことが、肩の痛みをとり、肩関節の可動制限を防ぎ、しいては100%凍結肩にならないベストな治療法と考えています。