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【大分市・腰・狭窄症】大分・腰・脊柱管狭窄症・ブロック注射治療

痛みの相談と治療

 腰部脊柱管狭窄症は高齢者の増加とともに急激に増加しています。原因は、加齢とともに、腰骨、椎間板、黄靭帯などが変形肥厚して、また大きな腰椎椎間板ヘルニアや腰椎すべり症などが原因となり、脊髄を保護している脊柱管と言う脊髄神経が通るトンネルのようなものが狭くなり、脊髄や脊髄の枝である神経根、馬尾神経を圧迫して痛みがでます。腰部脊柱管狭窄症は自然に治癒することは少なく、中高年の腰下肢痛のほとんどは腰部脊柱管狭窄症が原因です。
 特徴的な症状は①じっとしていると痛くはないが、歩くと段々腰や下肢の痛みやしびれがひどくなりついには歩けなくなる間欠性跛行と言う症状。②前かがみで症状が軽くなる。従って自転車には楽に乗れます。間欠性跛行の場合も歩けなくなると患者さんは前かがみで休みます。逆に腰を後ろにそらすと痛みがでます。③午前中よりも夕方にかけて痛みしびれが段々悪化する患者さんが多い。これらが特徴的な症状です。診断はMRIで確定できます。
 治療は整形外科では、まず、保存的に内服薬やリハビリで治療しますが、軽症を除き効果はほとんどないと思います。腰部脊柱管狭窄症に効果的な鎮痛薬は唯一オピオイド系(麻薬系)のトラマドールがある程度の効果があるのみです。リリカは椎間板ヘルニアと違ってほとんど効きません。またオパルモンも効果があるのは軽い症状の方の一部に限ります。結局、中等症~重症の腰部脊柱管狭窄症は手術しか治療法がないとほとんどの整形外科の先生方は考えていると思います。
 しかし私の考えは、手術する前に試みる治療法としてペインクリニックの硬膜外ブロック治療や神経根ブロック治療をぜひ行ってみてください。脊柱管狭窄症に対する硬膜外ブロック治療は他の腰痛とは異なりある程度の回数が必要ですが(4~10回程度とお考えください)当院の治療成績は7~8割の患者さんは硬膜外ブロック治療により痛みが軽減し歩きも改善します。なかには全く症状が消失しジョギングを行えるほど回復する患者さんも少なくありません。特に当院では硬膜外ブロックにアナペインという長時間作用性の新しい局所麻酔薬を使用しだしてから治療成績が上がりました。また効かないと前述したオパルモンも硬膜外ブロック治療と併用して服用するとその効果はかなりはっきりしたものになります。私は長年脊柱管狭窄症の患者さんの治療にあたってきましたが、今の治療法をはじめてからかなりの手ごたえを感じています。