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トピックス一覧 (その他の痛みについては「痛みの相談と治療」をクリック)

ペインクリニックと整形外科の違いと連携

2010/01/31 記事

どちらも痛みを伴う疾患を対象とする点では患者さんが重なることも多いです。ただし、ペインクリニックがさまざまな痛みを軽くして、患者さんを苦痛から解放してさしあげるのを第一の目的とした医療なのに対して、整形外科は筋肉、骨、関節、神経などが外傷、病気などでおかされた機能回復(その中に痛みも含まれます)を目的とした医療であることが大きな相違点だと思います。ペインクリニック医の多くは麻酔科を経験して、そのなかの痛みの治療に興味をもつ人たちがなる場合がほとんどです。麻酔の本質は手術の痛みを患者さんに感じさせないことです。そのような理由から、ペインクリニックの主な治療手段である神経ブロック法の多くは、ほとんどが麻酔医が考えだしたものです。従ってペインクリニックの治療方法は、①神経ブロック治療(硬膜外ブロック、星状神経節ブロック、そのほか多くのブロック法があります)②薬物治療(消炎鎮痛薬のほか、慢性...

線維筋痛症学会ネットワーク医療機関 藤垣クリニック

2010/01/29 記事

藤垣クリニックは、今やっと日本でも知られだした痛みの難病、線維筋痛症の線維筋痛症学会指定医療ネットワーク医療機関です。線維筋痛症の詳しい症状などはこのサイトのトピックス、痛みの相談と治療に記載していますのでそちらをお読みください。

痛みの検索語ランキング 当サイト 

2010/01/27 記事

 藤垣クリニック公式ウェブサイトは公開後4年たち、アクセス数は1日あたり1000PV以上になりました。いかに痛みに苦しんでいらっしゃる方が多いかを物語るものだと思います。 そこで、まず、藤垣クリニックや大分、ペインクリニックなどのキーワードでの検索以外の、痛みの症状、痛みの疾患名、神経ブロック法、痛みの治療法、痛みの治療薬剤名などでの検索を多い方から調べてみました。これは、アクセスされた方が、痛みに関してどのような痛みが多いか、どのような治療法、ブロック法を知りたいか、どのような痛みの治療薬に関心があるかを物語っていると思ったからです。 まず痛みの疾患名では多い順に挙げますと、頚椎症性神経根症、帯状疱疹、頭痛、腰痛、坐骨神経痛、肋間神経痛、腰部脊柱管狭窄症、複合性局所疼痛症候群、むち打ち症、筋・筋膜性疼痛症候群、帯状疱疹後神経痛、と続きます。 次に、神経ブロック法では、トリガーポイン...

痛みに対して運動療法はどうするか?

2010/01/25 記事

よく患者さんからこの様な質問を受けますが、確かに運動療法は、たとえば、膝の痛い方は大腿の筋肉(大腿前面の大腿四頭筋やハムストリングスと呼ばれる大腿後面の筋)をきたえることは大切です。そのような方には、水中歩行療法は水の力で体重が軽くなり、膝への負担が軽減され、一方水の抵抗で大腿の筋肉には負荷がかかり、きたえられ、膝のリハビリには有効で、膝の痛みをとる効果的な治療であることは事実です。また、慢性腰痛にも腰痛体操のような方法で腰まわりの筋肉を増強することは有用です。  しかし、特に急性の痛みの場合、運動して痛みが増すのに我慢してそれを続けると、特に中年以降の方はかえって痛みがひどくなることが多いです(たとえば膝痛に対して歩きすぎること。大腿の筋肉を鍛える以上に炎症を起こしている膝関節に負担をかけてしまいます。)。  痛みと運動に関連したひとつの事実があります。当院の坐骨神経痛の患者さんを...

大分市 ペインクリニック 藤垣クリニック

2010/01/23 記事

当院は大分市でペインクリニック(痛みの専門外来)を行っています。  ペインクリニック(痛みの治療)の対象となる痛みは、頭痛、片頭痛、顔面痛や首、肩甲骨、肩の痛み、こり(頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症、むち打ち症、筋・筋膜性疼痛症候群等が原因)。他に腕の痛みやしびれ、五十肩、背中の痛み。さらに腰痛(ぎっくり腰、変形性腰椎症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、骨粗鬆症等が原因)、坐骨神経痛(腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア等が原因)、足の痛み、膝の痛み。さらに、線維筋痛症、三叉神経痛、帯状疱疹痛などです。  それらの痛みの患者さんがリハビリ、鎮痛薬、マッサージ治療、はり治療などの治療を受けることも多いと思いますが、激痛や慢性痛の場合、その治療も効果がない場合が少なくありません。  ペインクリニックとは、主な治療法である①神経ブロック治療(硬膜外ブロック、星状神経節ブロック、トリガーポ...

ネオビタカイン ペインクリニックにおける使用法

2010/01/20 記事

ネオビタカインという局所注射鎮痛剤があります。ジブカインという局所麻酔薬にサリチル酸ナトリウムと臭化カルシウムという消炎鎮痛剤を配合した注射薬です。簡単にいえば局所麻酔薬と痛みどめを混合した薬剤といえます。このような配合の薬は他になく、日本で開発され日本のみで使用されており、主にトリガーポイント注射(痛点ブロック)に使用されます。  ネオビタカインは、神経ブロックによく使用される純粋の局所麻酔薬であるメピバカイン(商品名はカルボカイン)と比較すると、トリガーポイント注射において効果が長くかつ強いとされ、使用頻度が増加しているようです。実際、私も筋・筋膜性疼痛症候群(痛みの相談と治療に既述)の患者さんにトリガーポイント注射で使用していますが、多くの患者さんにおいてにメピバカインよりネオビタカインの方が効果が大きいです。ただしメピバカインに比べてネオビタカインは注射後に投与部分に、1日程...

消炎鎮痛薬 NSAIDs

2010/01/12 記事

通常、あらゆる診療科においても痛みがあればとりあえず痛み止めを処方されます。この痛み止めは消炎鎮痛薬、正式には非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)と呼ばれ、バファリン、ロキソニン、ボルタレン、ハイペン、ポンタール等たくさんあります。その作用機序はアラキドン酸カスケードというさまざまな物質を産生するメカニズムに作用して、まず炎症によって産生される物質であるブラジキニンを抑制して鎮痛、抗炎症、解熱作用を発揮します(これをCOX-2阻害作用といいます)。ただ、この薬は同時に胃粘膜血流保護作用や腎臓の血流維持作用を有するプロスタグランジンE2やプロスタグランジンI2も抑制して(これをCOX-1阻害作用といいます)、胃潰瘍や胃出血、腎機能低下作用をおこすことがあります。これはいくら胃薬(ムコスタ、マーズレン、セルベックス、ガスター等たくさんあります)を同時に服用してもほとんど防御できません...