【大分市・頭痛専門外来】 大分 緊張型頭痛 片頭痛 群発頭痛 後頭神経痛
2010/08/15
頭痛には、脳内出血、くも膜下出血、脳腫瘍などの場合に生じる命にかかわる頭痛もありますが、それとは異なり命の危険は全くなく、頭痛の原因が脳の障害ではなく、頭がい骨を覆う筋肉(頭部筋群)とその中を走る神経において痛みが生じているものに分かれます。これを機能性頭痛と呼びます。機能性頭痛は慢性のものが多くその主なものに、緊張型頭痛と片頭痛(偏頭痛)、それに稀ですが群発頭痛があります。大部分の頭痛で苦しんでおられる方はこのいずれかに入ります。
① 緊張型頭痛(筋収縮性頭痛とも呼ばれます)は最も一般的にみられるもので、原因として、名前のとおり精神的、肉体的ストレス(疲れ、不安、不眠、抑うつ、過労、頚椎疾患特にストレートネックと呼ばれる頸椎の形をしている方などさまざまなことが原因となります)から起こり、頭蓋骨を覆う、特に首からつながる後頭部の筋肉(頭部筋群)が緊張して、筋肉の血流障害をおこし、それにより同所に痛みのもととなる物質が蓄積されて頭痛をおこします。その頭痛がさらにストレスを高めて、不安、抑うつ、神経症などを助長して痛みは複雑化し、こうした悪循環が慢性化しやすい原因となります。
緊張型頭痛は多くの場合、まず、肩の筋肉痛とこりから、首の痛みとこり、さらに頭痛へと肩から段々と頭部へ痛みがさかのぼってゆくパタ-ンが多いです。
症状は、痛みは、頭が締め付けるられるようなとか、頭に砂袋をのせたようなとか、頭に痛みのリングをかぶせたような頭痛と患者さんは表現します。痛みの部位は後頭部が多いですが、頭の片側や全周におよぶことも稀ではありません。また、眼の奥の痛みや疲れ眼も起きやすく、こめかみの痛みを感じることもあります。またしばしばはきけを訴えますが、片頭痛に比べて実際おう吐することは少ないのも特徴です。
治療は、患者さんはそれまで市販頭痛薬の安易な服用を長期にわたり続けている方(一種の鎮痛薬中毒です)が多く、これが治療を困難にします。第一の選択すべき治療法はトリガーポイント注射(トピックスで既述)を頚部、後頭部のなどのこりと痛みの部位(圧痛)に行います。トリガーポイント注射を繰り返し行うことで(1~2回でとれることも多いです)、大部分の患者さんにおいて、緊張型頭痛は比較的短期間で改善に向かうと思います。
トリガーポイント注射の効果についてはNHKの「ためしてガッテン」でも詳しくとりあげられました。これらの注射に使用する針は極く細く短く、注射する場所も頭蓋骨を取り巻く筋肉の表面を覆う筋膜下に行うので危険はありません。
また頭痛内服薬としてはよく使用するならばアセトアミノフェンをお勧めします。アセトアミノフェンは他の鎮痛薬と異なり胃を痛めたり便秘を起こしたりしない安全な鎮痛薬です。
内科、神経内科系の頭痛外来では、内服薬だけで緊張型頭痛を治療する場合が多いです。しかし、緊張型頭痛の場合、内服薬だけでは治療に長い期間が必要で、かつ効果も今述べてきたようなトリガーポイント注射を併用する治療に比べればはるかに弱いと思います。たとえれば、内服薬治療のみでは頭痛は雨から曇り空くらいにはなるが、青空にはならず真の痛みは取れないことが多いと思います。一方、内服薬治療とトリガーポイント注射の併用(トリガーポイント注射単独でも十分な場合が多いです)では頭の中は雨から青空になるようなすっきりした感じを受けるはずです。また内服薬の必要性はなくなる場合も多いです。
②もうひとつの慢性頭痛に片頭痛(偏頭痛)があります。片頭痛は、多くの場合、眼の奥、こめかみ、側頭部などの片側が痛みます。頭の周囲を取り巻く動脈(特に浅側頭動脈)が女性ホルモン(片頭痛は女性に多く、生理周期に影響されることが多い)、アルコール、ポリフェノール(赤ワイン、チョコレート等に多く含まれる)などの頭の血管を拡張させる物質により動脈が拡張し、動脈拍動が周囲の組織、神経(特に三叉神経)を刺激して頭痛を起こします。この頭痛には多くは前兆があり、光、音、においに敏感になり、それらが頭痛を増強させます。また緊張型頭痛と異なり、80%がはきけだけでなく実際おう吐します。また閃輝暗点という視界周囲に黒いギザギザが見え、中心部がまぶしい独特のものの見え方をおこすことがあります。
痛みは動脈の圧迫によるものなので、ズキンズキンとくる拍動性の頭痛で、緊張型頭痛より激しい耐えがたい激痛です。部位としてはこめかみ、眼の奥、側頭部が多く、そこを針で突き刺されるような脈拍に一致した激しい頭痛です。治療は軽症の場合はともかく、ある程度以上の強い片頭痛には通常の頭痛薬はまず効きません。特効薬といっていいのがトリプタン製剤の内服(イミグラン、ゾーミッグ、レルパックス、マクサルト、アマージ等)です。
トリプタン製剤は片頭痛にしか効かず、これが片頭痛診断の決め手ともなります。また眼の奥の激痛がよくおこりますが、これにはまゆ毛の部分に簡単なブロック注射を行うと痛みはすぐに消失します。
また、片頭痛の患者さんは片頭痛発作の時、首や頭の筋肉に過剰な緊張を生じますので、前述した緊張型頭痛を併せ持っている方が非常に多いです(混合型頭痛と呼びます)。
片頭痛予防薬としてはデパケン(バルプロ酸ナトリウム、てんかんの薬です)やインデラール(ベータブロッカー)が有効な場合があります。
③それ以外に男性に多くみられるのが群発頭痛です。痛み方は片頭痛とほぼ同じ、眼の奥、こめかみ、側頭部、耳介部などに拍動性の激痛がでます。数ヶ月から2年に一度くらい発作がおこり1~2ヶ月続きます。アルコールを飲むと痛みが誘発され、夜間に特に激しく痛み、がまんできない激痛です。診断は100%の酸素を吸入させると、頭骸骨周囲の動脈が収縮して痛みが軽減することでわかります。治療は片頭痛と同じくトリプタン製剤が効きます。
いずれにしろ慢性頭痛治療の要は、まず何の頭痛か鑑別すること、そして内服薬のみでなくトリガーポイント注射を併用すること。それで一部の重症者を除けば比較的簡単に治療できるはずです。
④後頭神経痛。第3頚神経が刺激を受け、第3頚神経の分布する左右どちらかの後頭部筋肉内の神経痛でズキンズキンと激しく痛みます(つまり頭痛ではなく頚椎症の痛みです)。第3頚神経は耳介の後ろ乳様突起の真下からでますので、そこを押さえると痛みが増加します。治療は後頭神経ブロック、それが効果が少ないなら頚部硬膜外ブロック。薬剤は神経痛治療薬リリカが効きます。
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