【大分市】大分・三叉神経痛 がまんできない顔の激痛
2010/04/04
藤垣クリニックは大分市でペインクリニック(痛みの治療)を行っています。
顔面の知覚、痛みを感じるのは、脳からでている神経のひとつである三叉神経です。よく顔面神経痛ということばを聞くことがありますが、顔面神経は同じ脳からでている神経ですが、知覚、痛みには関係しておらず、顔面の筋肉を動かす運動神経なので、顔面神経が痛むことはありません。三叉神経は、脳から下方に出て卵円孔という穴をぬけると、三つに分かれる神経で上からⅠ枝(眼じりより上)、Ⅱ枝(眼じりから口角まで、上顎)、Ⅲ枝(口角から下顎まで)に分かれ、それぞれの部位の痛覚、知覚を感じます。歯痛も、上顎の歯痛はⅡ枝、下顎の歯痛はⅢ枝の三叉神経を介した痛みです。
さて、三叉神経痛(正式には特発性三叉神経痛と言います)の痛みは激烈で発作的に短い痛み(電撃痛)が特徴です。原因は頭蓋内の三叉神経が卵円孔を通る時に血管に圧迫されて痛みが生じます。三叉神経痛の痛みのきっかけとして、その部分をさわる、歯磨き、髭剃り、物をかむ、話すなどが引き金となります。また痛みがしばしば歯肉に生じるため、虫歯と間違えられて抜歯する場合も多いです。
治療は薬物療法としてはテグレトールというてんかんの薬が効果があります。しかし強い三叉神経痛の場合これが無効な場合も多く、さらにテグレトールはふらつきの副作用が強く使用できない患者さんもいます。また2010年よりリリカ(プレガバリン)という神経痛治療薬も使用できるようになりました。テグレトールの方が効果は強いですが、テグレトールは薬疹が生じることが比較的多い薬剤でもあり使用上注意が必要です。
薬物治療に限界があり患者さんが我慢できない場合ブロック治療となりますが、レントゲンの透視下で70~100%エチルアルコールまたは高周波熱凝固法による神経ブロック法(神経破壊法)が行われることが多いです。局所麻酔薬による神経ブロックと異なり、エチルアルコールはかなりの長期間(半年~2年)痛む神経を一種殺した状態にして痛みをとります。実際の神経ブロック法としては、目より上の額の部分の痛みには眼窩上神経ブロック、眼の下の鼻根部の横の頬の部分の痛みには眼窩下神経ブロック、下顎の痛みにはおとがい神経ブロックなどをまず試みます。
眼窩下神経ブロックで効果がなくかつ痛みの範囲が広ければ上顎神経ブロック、下顎や下顎の歯肉部まで痛みが広ければ下顎神経ブロックを行います。この二つのブロックは私は神経破壊は行わずもっぱら局所麻酔薬で行っています。局所麻酔薬で何回かのブロックを行うとかなりの患者さんで痛みの軽減が得られます。さらにブロック中の痛みもあまりなくブロック後の神経の痺れも一時的なのでかなり好評です。
さらにもっと痛みの範囲が広範な場合は脳に近い卵円孔の部分で行うガッセル神経節ブロックが適応となります。いずれにしろ各種の三叉神経ブロックはこれらの手技に精通したペインクリニック医しかおこなえません。
また、手術療法としては開頭して圧迫されている血管が三叉神経を圧迫している状態を解除する手術(ジャネッタ手術)、またガンマナイフという放射線療法も試みられています。
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