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【大分市・頚部・神経痛】大分・首 肩 腕 痛み しびれ(頚椎症性神経根症)

痛みの相談と治療

 上記した部位に強い痛みが生じ、中にはしびれを伴う場合、そのほとんどが頚椎疾患による神経痛で、頚椎症性神経根症とよびます。通常の鎮痛薬やリハビリ(消炎鎮痛処置と言います)で痛みがとれることは少なく、特に夜寝れないような激しい痛みにはまず効果はありません。それどころかモルヒネなどの麻薬系の薬剤でさえもこの神経痛には思いのほか効果は弱いです。
 頚椎症性神経根症の原因は、変形性頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア(痛みの相談に詳述)、頚部脊柱管狭窄症、後縦靭帯骨化症、むち打ち症(神経根型の場合、痛みの相談に詳述)などで、頚部脊髄の神経枝である神経根が頚椎から肩の方へ出てゆくところで椎間板ヘルニアや骨の変形による骨棘に圧迫されて神経の痛みを起こししているのです。
 痛みの特徴は、下部頚椎の頚椎症性神経根症では、首の付け根から肩、肩甲骨部、肩甲骨内側、後ろ側の腕のつけね、さらに上腕にかけて激しく痛みます(うずくまたは電気が走る様な痛みです)。頚部から腕先まで神経の走行している場所の痛みですので、たとえば痛い場所を指でさせるような明確な痛みの場所の特定ができず、肩の内部、上腕の内部に漠然としたしかし我慢できないうずきと感じ、腕や指のしびれ、筋力低下もしばしばおこります。一方、上部頚椎の頚椎症性神経根症では神経の分布上、痛みは後頭部、頚部、肩におこります(腕に症状はでません)。特徴として首の動きや首の位置(天井を向くと痛くなる)、腕を挙げるなどの動作で痛みが誘発されます。
 簡単な検査として、首をうしろにそらしたり、痛い側に傾けたりすると痛みが誘発されます。神経根の圧迫が強くなるからです。
 大部分の患者さんは痛みが常に頭から離れず、肩や腕を常に揉んだり押したりすることが多いのも特徴ですが、これはむしろ神経痛を悪化させることが多いのでやめて下さい。また、リハビリで痛い肩や腕にバチバチと電気治療を行ってそれが刺激となり逆に痛みが悪化することが結構ありますのでやめておいた方が賢明だと思います。また整体治療で悪化させて当院を受診される方もおられますので注意が必要です。
 また、頚椎症性神経根症がある程度の期間持続している患者さんの30%には、五十肩(肩関節周囲炎)の肩関節の痛みが生じます。これは神経痛のため肩関節を自然と長い間動かさなかったり神経麻痺により肩の筋肉が萎縮して肩関節のバランスが壊れることから起こります。
 頚椎症性神経根症の実際の治療法ですが、我慢できない激痛には神経ブロック治療が唯一の治療法とも言えます。症状にあわせて、星状神経節ブロック(トピックスに詳述)、深頚神経叢ブロックなどがありますが、これらのブロックはほとんどの場合、軽度の痛みにしか効きません。激痛には頚部硬膜外ブロックが非常に有効です(当院では長年改良を重ねた頚部硬膜外ブロックの手技で、簡単に短時間で行えます。実際、このブロックが初めての患者さんはほとんどの方が首の後ろに注射をするということで最初かなり緊張されますが、終わってみればなんだ大して痛くなかったと安心されます)。
 加えてリリカやタリージェという神経痛治療内服薬を処方します。これらの薬もブロック後であれば神経の炎症が軽減しますので、薬のみの治療よりブロックを行って内服したほうが効果が上がります。
 ブロック注射と神経痛鎮痛薬、これらを組み合わせて総合的に治療を行えば、ほとんどの激痛もわりと短い期間で緩和されます。